
知っているようで知らない油の種類!特徴と使い方を管理栄養士がご紹介

現在多くの食用油脂が販売されています。
代表的なサラダ油、ごま油、オリーブオイルだけではなく、あまに油やえごま油など、種類も多くてどれを選んだらよいか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそれぞれの油脂の特徴について紹介していきます。
※この記事は、管理栄養士の「矢崎海里」さんがご紹介しています。
食用油脂の種類について
大きく3つに分類される食用油脂
食用油脂は、大きく分けて「植物性油脂」「動物性油脂」「加工油脂」の3つに分類されます。
「脂(fat)」 常温で固体のもの
「油(oil)」 常温で液体のもの
飽和脂肪酸 常温で固まる脂
不飽和脂肪酸 常温で液体の油
飽和脂肪酸は血液中のコレステロールを増やすはたらきが、不飽和脂肪酸には血液中のコレステロールを減らすはたらきがあるのが特徴です。
不飽和脂肪酸の中でも、加工食品や菓子類に多く含まれるトランス脂肪酸は酸化しやすい油のため、過剰摂取に注意が必要です。
植物性油脂の種類
植物の種子を原料とする植物性油脂のことです。大豆油やごま油、とうもろこし油やあまに油、オリーブオイルなど一般的な油脂が該当します。
あまに油
成熟した亜麻(あま)の種子から作られる油で、黄色っぽい見た目が特徴です。
α-リノレン酸を多く含みます。
えごま油
えごまの種子から作られる油で、α-リノレン酸を多く含みます。
オリーブオイル
オリーブの実から作られる油で、イタリアなどの地中海を中心に生産されています。日本では香川県などが主な産地です。
オレイン酸を多く含み、独特の風味や香りが特徴です。
ごま油
ごまの種子から作られる油で、独特な香りが特徴です。
リノール酸、オレイン酸を多く含みます。
調合油(サラダ油)
サラダ油は2種類以上の原料を混ぜ合わせたものです。
大豆油となたね油を混ぜたものが多く、ドレッシングやマヨネーズに使用されます。
最近流行のMTCオイルも植物性油脂の仲間で、ココナッツやパームなど、ヤシ科植物の油が使われています。中鎖脂肪酸が主成分です。
動物性油脂の種類
動物の脂肪を原料とした油脂で、常温では固体です。
飽和脂肪酸の含有量が多く、酸化しやすいのが特徴です。
牛脂
牛肉の脂肪組織からとった脂です。すき焼きやステーキなどに活用されます。
冷えると固まるため、冷たい料理への活用は不向きです。
ラード
豚肉の脂肪組織からとった脂です。
牛脂より融点が低く口の中で溶けるので、揚げ物やお菓子などに用いられています。
バター
牛乳からとったクリームをかたまりにしたものです。
乳脂肪分80%以上、水分17%以下、大腸菌群陰性であることが規定されています。
食塩を加えた有塩バター、食塩を加えない食塩不使用(無塩)バター、発酵したクリームから作られる発酵バターがあります。
加工油脂の種類
ベースの油脂にさまざまな原料を添加した油脂です。
マーガリン
食用油脂に乳化剤などを加え作られています。
バターの代用としてフランスで誕生し、パンに塗りやすいタイプやフレーバー添加など、さまざまな種類が流通しています。
ショートニング
クッキーやパンなどに使われる食用加工油脂です。
もろく、砕けやすい性質でサクサクした仕上がりになります。
目的に合った油の種類を使おう
油脂の種類によって使い道や特徴が異なります。
風味や味も加味しつつ、目的に合ったものを選ぶようにしましょう。